先に言っておく。
こいつはある食い物と、それを49年間も作り続けてきたちっこい精肉店の話だ。
おまけに大阪市南部の、ローカルな商店街の中だから、他地域の方々は、
「へー、あ、そう」
「すごそうだけど、それのためにわざわざ大阪は遠いね」
と反応されるだろう。
だからカテゴリ「うまそう:うまかった」に入れなかった。再現性が限定的過ぎるからだ。
これは、だからオレの個人的なリスペクトに過ぎない。
それでも構わないというヒトだけ、読んでくれ。
ある休日の午後のことだ。
すごい画集だわ!:Visions of war (the art of Wayne Reynolds)
を手に入れ、上機嫌のオレは軽い朝飯のあと、ブログを書いていた。
言うまでもないことだが、適度な知的活動は空腹を誘発する。
買い置きのカップ麺にするか、一手間かけてマルちゃんの蒸し焼きそばをつくるか、
それは微妙なところだった。
だが、いつもなら、それらインドア派の常食であるはずの食物をオレ、いや、
オレたちは華麗かつ無謀にも、スルーした。
「この近くに、それはすばらしいメンチカツを売る肉屋があるそうな」
「それですっ、老師ッ!(注・CV;まほそ)」
つかっけを履いて、でかけたとさ。
んで、往復30分
こっ、これはッ!
メンチカツ×4 コロッケ×2 が現れた! おいおい、このボリュームで560円かよ!
もちろん、ビールとやった。和辛子つけて。醤油もソースもいらん。
結論を言う。後悔した。
なぜっ、なぜっ、オレはいままで、
この店を知らなかったんだ!
「かわいそうに、あんたモグリだな?(CV:コブラ)」
これが、男という名の物語なのかッ?! 教えてくれッ、サイコガンッ!!
許されるはずもないpiece&loveか!
うますぎるわ!
とにかくバランスがいいんだ! 衣のさくさくと厚すぎないミンチ。
肉汁が垂れるいわゆるnewウェーブ型のパテではなく、洋食の基本に忠実な
「口のなかでしっとり」型。
タマネギも甘すぎず、くどさは皆無で、
成人男性なら4つ、5つくらい、ぺろりと食べれるんじゃないか?
コロッケもじゃがいもベースの基本型。
でもコショウがガツンと効いていて、子供っぽい印象は絶無。
さっぱりと後味を引き締めてくれている。
メンチカツ×2 コロッケ×1をまほそとトビスケ、各々が瞬く間に完食!
そして、ちっとも、モタれない!
老舗の、伝統の恐ろしさを、骨身に(主に胃袋で)味わったぜ!
感動だッ、感動の繰り返しだよぉッ!
ちょっと、もう一個、買ってきます!